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養育費の支払いが滞ったら

離婚の際に取り決めた養育費の支払いを、毎月確実に受け取っている方は、 全体の半分にも満たないようです。最初のうちは取り決めどおり定期的に支払いがあっても、 月日が経つにしたがって徐々に支払いが滞ってしまうことが多いようです。 取り決めどおり支払えない理由としては、養育費を支払う側がリストラにより 失業した場合、再婚して新しい家庭ができた場合、またはお金はあるものの、 ただ単に支払おうとしない場合などが挙げられます。

離婚時に口約束だけで養育費を取り決めた場合、何の保障もなく、 「言った、言わない」の争いになってしまうことが多々あります。 したがって、トラブル防止のため、取り決めた事項は必ず離婚協議書にすることが必要です。
さらに、養育費の支払いについて取り決めた離婚協議書に基づき、法的根拠となる公正証書として 作成しておけば、養育費の支払いが滞った時に、強制執行することも可能です。
また、家庭裁判所へ調停を申し立てて調停が成立すれば、もし支払が滞った場合に、 裁判所の作成した「調停調書」をもとに、強制執行の手続きをとることができます。 口約束だけでは、養育費の差し押さえの根拠がないため、強制的に支払いを履行させる ことは難しいでしょう。

養育費の支払いが滞ったら、まずは電話や手紙などで協議もしくは催促をしましょう。
それでも応じない場合は、内容証明郵便で支払いを催促します。 内容証明郵便とは、いつ(手紙を発送した日付)、誰が、誰に対して、 どんな内容の手紙を送ったのかを、郵便事業株式会社(日本郵便)が証明してくれる手紙です。 簡単に言いますと手紙で証拠を残す方法です。
法的拘束力はないのですが、相手に対する心理的効果はかなりあります。

家庭裁判所の調停・審判で養育費の支払いが決定しても、支払いが滞ることがあります。 そのような場合は、家庭裁判所が支払義務の履行状況を調査し、支払義務者に対して 説得や勧告を行う「履行勧告」を申し出る方法があります。 ただし、履行勧告には強制力や制裁力はありません。

履行勧告でも支払いに応じない者に対しては、「履行命令」を出す方法もあります。 こちらも履行勧告と同様、家庭裁判所へ申し出を行います。 履行命令は一定の期限を定めて、義務を実行するように命令する方法です。 正当な理由もなく履行命令に従わない場合は、10万円以下の過料に処せられます。

もし、家庭裁判所による履行勧告や履行命令などによっても養育費を支払わない場合には、 相手方の財産を差し押さえる「強制執行手続き」をとることも可能です。 ただし、養育費の支払いについて定めた債務名義(公正証書・調停調書・審判書・判決書・ 裁判上の和解調書など)が必要となり、公正証書の場合は「養育費の支払いが滞れば、 ただちに強制執行をしてもよい」との一文(強制執行認諾文)が入っていなければなりません。

また民事執行法の改正により、将来の養育費分もまとめて差し押さえできるようになりました。
これまでは、取り決めた支払期限を過ぎた分の養育費しか強制執行の手続きはできませんでした。 つまり、3ヶ月分滞納したら、その滞納した3ヶ月分だけしか強制執行ができず、 毎月ごとに強制執行の手続きをしなければならなかったのです。
手続きの費用も3千円の収入印紙代などを合わせて1万円弱の実費が掛かり、 3〜5万円の養育費に対して割に合わないのが実情でした。 結局、毎月ごとの差し押さえの手続きはしないで、2年間我慢して、 まとめて差し押さえ手続きをするといった方法しかありませんでした。 しかし、今回の改正では1度でも養育費の支払いを怠ったときは、将来の養育費の支払い分に ついても1回の手続きで強制執行ができる特例が設けられました。

この特例が適用となるには、下記の要件が対象となります。

  • 夫婦間の協力および扶助の義務に関する請求権
  • 婚姻によって生ずる費用の分担の義務に関する請求権
  • 離婚等の場合における子の監護・義務に関する請求権
  • 親に対する扶養など一定の親族間における扶養の義務に関する請求権

また、差し押さえを受ける給料の額についても特例が設けられました。 今までは給料(ボーナスや家賃収入も含む)の差し押さえは、税金などを控除した 手取り金額が28万円を超える場合は、その金額から21万円を引いた金額、 もしも手取り金額が28万円以下の場合は、その4分の1しか差し押さえることができませんでした。 それが特例により給料の2分の1に相当する部分について差し押さえができるようになりました。

養育費の支払いが滞った場合の対策を述べてきましたが、養育費は通常の債務とは違い、 子供を養育する為に必要な費用ですので、法律だけに頼らず、お互いが誠意をもって率直に 話し合われるのが、一番良い解決方法なのではないでしょうか。

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